名残

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「現代の危機と哲学」を受講し始めた

私は放送大学の全科履修生だ。基本的に情報系の講義を履修し、余裕があれば新たに人文系の講義を履修するようにしている。なかでも思想・哲学関連の講義には特に興味があり、今学期は「現代の危機と哲学」という講義を履修登録した。Web アプリでログインすればどの講義の録画も視聴できるので、印刷教材が届いてすぐ学習を始めた。

現在第3回まで受講してある状態だか、だんだんとこの講義での問題意識が明らかになってきた。それはずばり「宗教が諸般の基盤として機能しなくなった近代以降の世界観」の問題だ。世界観というのは、例えば死生や労働、学問、科学技術といったものの捉え方を指している。

この講義では「哲学することは戦慄から始まる」と強調されている。ここでいう戦慄とは大事件で自分の考えが根本から覆され再考を迫られるような瞬間のことだ。「神は死んだ」で知られるニーチェもまた、神について語ることこそ真に学問的といわれた時代が終わり正反対になってしまったことに戦慄したのだろう、という。ただし、詳細は省くがニーチェの著書『愉しい学問』を参考にすれば彼が無神論者ではなかったことは明白だ。

哲学者視点で肯定的に捉えるなら、こういった危機は哲学を始める格好の機会なのだ。私も「自分という社会的人間のあり方」や「ウクライナ情勢」、「ジェンダー」といったテーマで戦慄し問題意識を持った身なので、この機会に自分から哲学してみようと思う。

中間の課題として、現代の哲学の可能性についてのレポートが要求されている。解答の自由度がかなり高く時間がかかりそうだが、締め切りがないと先延ばししがちな私には、まとまった時間をかけて哲学に親しむ良い機会なのだろう。このブログでも自分の思索について言語化しながら、着実にレポートの準備を進めていきたい。